大西浄元造『阿弥陀堂釜』大西浄長極め

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阿弥陀堂釜特有の堂々とした佇まい、繰口でなだらかな肩には鬼面の鐶付が付く約束通りの御形です。本歌は辻与次郎造ですので、こちらは100年ほど後に作られたことになります。釜肌は、とても味わい深く育っております。蓋は浄長が補ったもので本歌と同様に盛蓋となっております。箱は大西家13代浄長の極箱で、蓋裏に「阿弥陀堂釜 一胴径八寸四分 一口廣四寸壱分 一鐶附鬼面 右享保年時代古浄元作無紛者也 乙亥仲春日 御釜師 大西浄長」として印が捺してあります。*乙亥…昭和10年(1935)蓋表には阿弥陀堂釜 唐銅盛蓋補之として「孝信」印が捺されています。*孝信…浄長の名。水漏れ致しません。胴径25.3㎝ 口径12.4㎝(内寸11.4㎝) 高さ19㎝(蓋含まず)阿弥陀堂釜とは…有馬に阿弥陀堂という寺があって、その住持が千利休にデザインを依頼し、釜師の与次郎(桃山~江戸初期)に作らせた。しかしあまりの出来の良さに利休はその釜を阿弥陀堂の住持には渡さず、自分の物にしてしまった。利休がその釜を使い茶会を開いたものだから、その頃の大名たちがその釜の写しが欲しいと流行したという。阿弥陀堂の住持の注文なので、釜の名称を阿弥陀堂とした。≪作者≫▢大西浄元(おおにしじょうげん)元禄2年(1689)~宝暦12年(1762)釜師。京都。大西家6代。4代浄頓の子。名~清右衛門。通称~古浄元。5代浄入に師事する。代表作に「如心斎文字入尻張釜」「紫野尻張釜」「責紐釜」「亀甲釜」がある。≪極め≫▢大西浄長(おおにしじょうちょう)慶応2年(1866)~昭和18(1943)千家十職(釜師)。大西家13代。浄典の長男。名~清右衛門。茶道衰退の時代に家業を継ぎ、苦しい時代を過ごしたが、明治後半には茶道の興隆に力を傾けた。橋本関雪や山元春挙の下絵を鋳込んだ釜など、日本画家との合作も多く残している。謹厳実直な性格を映して、釜作も生真面目さが表れている。【参考文献】落款花押大辞典 淡交社茶の湯釜 淡交社#自分だけの茶道具を持ってみませんか#茶の湯#釜#阿弥陀堂#侘び#釜師#茶道具#千家十職#大西清右衛門#鉄#鬼面#鐶付#炉#炉釜#三千家#表千家#武者小路千家#裏千家#御好#薄茶#茶道#濃茶#好み物#古美術#茶室#茶会#京都

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